2026年春夏のファッショントレンドを5つのキーワードで徹底解説。シアー素材、ボウタイブラウス、ローウエスト、ロイヤルブルー、セットアップなど、今季押さえるべきスタイルを主婦と生活社運営のWEB DIGVIIが紹介。 2026年春夏シーズンのコンセプトは「STRUCTURED GRACE」。構築的なシルエットに"余白"という美しさを編み込んだスタイルが、パリ・ミラノ・東京のランウェイを席巻した。ワークウェア由来のタフさとレース・シアーがもたらす透明感。相反する要素を一つのルックに落とし込む、新しいエレガンスの提案である。ロエベはジャック・マッコローとラザロ・ヘルナンデスの新体制下でクラフト路線にビビッドカラーとスポーツウエアの感覚を接続し、セリーヌはマイケル・ライダーがフランス的ブルジョアシックとアメリカンプレッピーを融合させた「新BCBG」を発信。メゾンの世代交代が加速する中、モードの潮流は"構造と抜け"のバランスへと大きく舵を切っている。ここでは、主婦と生活社が運営するWEB DIGVIIが厳選した、今季リアルに取り入れるべき5つのトレンドキーワードを深掘りする。 1. シアー素材——"透ける"がスタンダードに 2025年から続くシアー人気は、2026年春夏でいよいよ定番化のフェーズへ。シースルードレスを筆頭にスカート、パンツ、ブラウスとあらゆるカテゴリーに波及し、もはや一過性のトレンドではなくワードローブの基本レイヤーとなりつつある。 MAISON SPECIALはオーガンジー素材のシアーシャツを春夏コレクションの軸に据え、Re:EDITはシアーカーディガンをシーズンの顔として展開。DIGNITE COLLIERのシアーブラウスは、袖のみに透け感を持たせた"部分シアー"設計で、オフィスからディナーまでシームレスに対応する。 着こなしの鍵は「透かす面積のコントロール」。トップス全面にシアーを持ってくるなら、ボトムスはハリのあるテーラードパンツで引き締める。逆に、スカートの裾だけにシアーを忍ばせれば、歩くたびに揺れる軽やかさが春風と共鳴する。肌見せは上品に、抜け感は計算的に——それが2026年のシアーの正解である。 2. ボウタイブラウス——襟元の"一技"が主役に 今季、ブラウスの主戦場は襟元。フリル、ギャザー、そしてボウタイと、ネックライン周りに"一技"を効かせたデザインが各ブランドから続々と登場している。 ViViが「2026春夏のトレンドセッター」と位置づけたボウタイブラウスは、大ぶりのリボンが品格と存在感を兼備するアイテム。GeeRAの「ボリュームボウタイブラウス」はリボンの長さとボリュームにこだわり、1枚でスタイリングが完成する設計。ZOZOTOWNのランキングでもボウタイ襟カテゴリは上位をキープしており、リアルクローズとしての浸透度がうかがえる。 カラー選びも重要なポイント。定番のブラックやホワイトに加え、今季はロイヤルブルーやライトピンクなどトレンドカラーとの掛け合わせが効果的。シアー素材×ボウタイの"トレンド二重取り"も見逃せない組み合わせである。合わせるボトムスはストレートデニムやセンタープレスパンツなど、直線的なシルエットがバランスを取りやすい。 3. ローウエスト復権——Y2Kの先へ ハイウエスト一辺倒だったここ数年のボトムストレンドに、明確な変化が訪れた。2026年春夏を象徴するシルエットとして、ローウエストが本格的に復権。腰骨で穿くリラクシングなバランスが、今季の空気感にフィットしている。 EMODAはクロップド丈トップスとローライズパンツのセットスタイリングを打ち出し、ZARAもローウエストのワイドデニムを毎週のように投入。一方で、Re:EDITが提案するフレアデニムは、ローウエストでありながら脚長効果を生むカッティングで、体型を選ばない懐の深さが魅力。 ポイントは、2000年代のY2Kリバイバルをそのまま再現するのではなく、2026年的な解釈を加えること。素材にリネンやコットンツイルを選び、トップスにはボウタイブラウスやオーバーサイズのテーラードジャケットを合わせる。"ストリートの腰位置"に"モードの上半身"を乗せる——その温度差が、今季のスタイリングに奥行きを生む。 4. ロイヤルブルー——2026年春夏を象徴するカラー 2026年春夏のトレンドカラーとして、ロイヤルブルー、カーキグリーン、ライトピンク、レッド、ブラウンの5色が浮上。中でも圧倒的な存在感を放つのがロイヤルブルーである。 深みと鮮やかさを兼ね備えた紫みがかった青は、華やかでありながら派手すぎないトーン。SPURが「2026春夏15のトレンド」の一つに挙げた"カラーブロッキング"とも親和性が高く、ホワイトやベージュとの配色で清潔感のある都会的なスタイルが完成する。 Joint Spaceが提案するロイヤルブルーのブラウス×ホワイトボトムの組み合わせは、オフィスにもウィークエンドにも対応する汎用性の高いスタイリング。Gready Brilliantはブルー系トーンのグラデーションコーデを提案し、ワントーンでまとめる上級テクニックを発信している。 もう一つの注目カラーがクラウドホワイト。Metropolis Japanが「2026年のカラー・オブ・ザ・イヤー」として紹介した柔らかな白は、ロイヤルブルーの最良のパートナー。ブルートップス×ホワイトボトム、あるいはその逆——シンプルな2色使いにこそ、今季のカラートレンドの真髄がある。 5. セットアップ再定義——"着る建築"としてのジャケット&パンツ 「STRUCTURED GRACE」のコンセプトを最もダイレクトに体現するのが、ジャケットとパンツのセットアップである。2026年春夏は、単なるスーツの代替ではなく、"着る建築"とも呼ぶべき構築的な美しさを追求したセットアップが台頭。 GRACE CONTINENTALは、リネン混素材のオーバーサイズジャケットにストレートパンツを合わせたセットアップを展開。三越伊勢丹が春夏のキーアイテムとして特集するテーラードジャケットは、裏地を省いたアンコン仕立てで、シャツのようにさらりと羽織れる軽快さが特徴。ベルトマーク——ウエストをベルトで絞るスタイリング——を加えれば、構築的なシルエットに"余白"のメリハリが生まれる。 合わせるインナーにシアー素材のブラウスを選べば、ハードとソフトのコントラストが一層際立つ。セットで着用すればワンアクションでコーデが完成し、単品使いでは手持ちアイテムとの掛け合わせで着回しが広がる。通勤、会食、週末のブランチ——シーンを横断する汎用性こそ、2026年型セットアップの最大の武器である。 この春夏、モードが提示する「構造と抜け」のバランス シアー、ボウタイ、ローウエスト、ロイヤルブルー、セットアップ。5つのキーワードに共通するのは、「構造」と「抜け」の二項対立を一つのスタイルに統合する姿勢である。かっちりしたジャケットにシアーのインナーを忍ばせ、ローウエストのデニムにボウタイブラウスを合わせる。相反する要素のレイヤリングが、2026年春夏のファッションを立体的に、そして自由にしている。ランウェイのムードをリアルクローズに翻訳するとき、その入口となるのがこの5つのキーワード。まずは一つ、自分のワードローブに取り入れることから始めてみるのがいい。