ルイ・ヴィトンのポケットウォッチコレクション「エスカル·オートゥール·デュ·モンド」に、新たな旅の目的地が加わった。 今回発表されたのは、日本へのオマージュを込めたユニークピース「エスカル·オ·モン·フジ」。富士山の背後から昇る朝日、春の夜明けを思わせるパステルカラーの空、そして桜が揺れる情景を、オート・オルロジュリーとメティエダールの技術で描き出した特別な一本となっている。 富士山の夜明けを、ダイアルの上に閉じ込めて この新作の中心にあるのは、ルイ・ヴィトンが続けてきた“旅”の物語。 アマゾンの熱帯雨林、パリに続く新たな寄港地として選ばれたのは、日本を象徴するランドマーク・富士山。名高い山の背後から太陽が昇り、柔らかなピンクとブルーが空を染めていく。そんな穏やかな春の朝が、ポケットウォッチという小さな舞台の上に精緻に描かれている。 12時位置では、ゴールドのコンパスローズが淡い空の中で回転。水面には精巧な木製の釣り船が進み、その船上には福の神・えびす様の姿も。さらに、ゆっくりと開閉するトランクや、風に揺れるように動く桜の花々など、4つのアニメーションが情景に命を吹き込んでいる。 機械技術と芸術的技巧、その両方を極めた一本 「エスカル·オ·モン·フジ」を駆動するのは、手巻きキャリバーLFT AU14.03。 4つのアニメーションを備えたジャックマール機構に加え、ミニッツ・リピーター、トゥールビヨンを搭載した複雑機構ムーブメントで、部品数は561。パワーリザーブは8日間を誇る。 このムーブメントは、「ラ·ファブリク·デュ·タン ルイ·ヴィトン」で開発・組み立てされたもの。部品の多くは目に見えない位置にありながらも、一つひとつに手作業による成形や仕上げが施されている。 700ものインナーアングルに施された面取りや、3週間を要したラチェットの仕上げなど、その工程からもクラフツマンシップの深さがうかがえる。 富士山、桜、川のきらめき。ダイアルに宿るメティエダール この作品のもう一つの見どころが、ダイアル全体に広がる比類なき手仕事。 桜の花や枝、えびす様、釣り船、川辺の風景にいたるまで、マスター·エングレーバーによる極小サイズの彫刻が施されている。口髭や鼻、釣り竿、漁網の細部にまで神経を張り巡らせた彫刻は、単なる装飾ではなく、まるで情景そのものを立ち上がらせるような存在感を放つ。 加えて、グラン·フー エナメル、シャンルベ、パイヨン、ミニアチュール·エナメルなど、多彩な技法を駆使したエナメルワークも圧巻。ダイアルには合計33色のパステルカラーが用いられ、完成までに40回もの焼成を重ねたという。 富士山を包む朝霧、川面に映る光、淡い空のグラデーション――そのすべてが、極限まで繊細な色彩表現で描かれている。 時計を収めるための、特別なバッグとトランクまで 「エスカル·オ·モン·フジ」の物語は、ウォッチそのものにとどまらない。 本作には、アニエールのアトリエで製作された特別仕様のトランクに加え、1906年頃のモーターズバッグから着想を得たドクターズバッグも付属。ポケットウォッチを中央に収められるよう特別に設計され、淡いライトブルーのカスタムレザーで仕上げられている。 ウォッチ、チェーン、バッグ、トランク。すべてがひとつの世界観の中で結びつき、ルイ・ヴィトンが受け継いできた“旅の真髄”を静かに語りかけてくる。 1000時間を超える手仕事がたどり着いた、日本への讃歌 「エスカル·オ·モン·フジ」は、熟練のウォッチメイカー、エングレーバー、エナメラーたちによる延べ1000時間以上の作業を経て完成した一点物。 富士山、桜、福の神、朝の光――日本のモチーフをただ取り入れるのではなく、ルイ・ヴィトンならではの旅の視点とサヴォアフェールで再解釈した作品として、強い存在感を放っている。 時計というより、むしろ掌の上に広がるひとつの風景。 「エスカル·オ·モン·フジ」は、ルイ・ヴィトンが描く日本への讃歌そのものなのかもしれない。 ■ルイ·ヴィトン 公式サイト: https://www.louisvuitton.com